※マスタング先生と生徒リザちゃんの学園パロディです
※おおまかな設定はこんなのこんな感じです





マスタング先生とリザちゃん



やあ、麗しい女性の皆さん、ロイ・マスタングだ。
私は進学校の高校で化学の教師をしている。
もちろん女子生徒に大人気で、下駄箱にはいつもラブレター、廊下で手を振れば黄色い声が上がり、職員室には質問する生徒達が行列で押しかけ、授業中に甘い笑顔を投げ掛ければ失神する者が出る。
野性的な一面を持ちつつ、実は紳士なのが人気の秘訣かな。
それから、焔を扱う錬金術師だし、頭はキレるし、顔は文句なくかっこいいし、物腰は柔らかいし…。
自分で言うのも何だけど、私以上かっこいい人間っているのかと真顔で聞きたい。
三十路まであと数年…と言ってもまだまだ若いぞ!
今日はロイ・マスタングの華麗なる日曜日だ。
教師としての仕事?
あー、ないない。
ないね。
教師は授業に、担任の仕事に、生徒の世話に、学校の雑務にかなり忙殺されているが、私は平日のうちに全部終わらせるからな!
有能なのだよ、私は!
まあ私が有能でいられるのは、可愛い恋人のおかげなんだけどな。
今日はその恋人が私のマンションに遊びに来る日だ。
いつも目覚まし時計を五個以上鳴らしても寝坊するくせに、今日は早起きをしてしまった。
恋人が遊びに来る日はいつもそうだ。
寝る前は遠足に行く子供のようにわくわくして布団に入るものの眠れず、なのに朝は無駄に早く起きてしまうのだ。
恋人が来るまで、朝ごはんを食べて、ゆっくりシャワーを浴びて、部屋をちょっと片付けてみても、時間を持て余している。
だから、こうして誰かに意味もなく自己紹介なんぞをしているのだ。
錬金術の論文でも読もうと思ったのだが、そわそわしてしまって集中できず、先ほどからリビングをうろうろしている。
早く来ないかな、来ないかな。
はっ、まさか来る途中に誘拐された!!?
とてつもなく可愛いから!
可憐で儚くて、性犯罪者のいい餌食だから!
彼女はいつも「車で迎えに来ていただくのは有り難いですが、近所の人から父に伝わるといけないので、お気持ちだけ受け取ります」と断るんだ!!!
ちなみに恋人の父親は私と同じ焔を扱う錬金術師で、有名な方だから知っているが顔からして怖いのだ!
ああ、こんなことなら恋人が遠慮するのなんて聞かなきゃ良かった!
よし、今すぐ助けに…!
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
リビングの床に両膝をつき、手で頭を抱えていたのだが、すぐその音に反応した。
急いでインターフォン用の受話器を取ると愛おしい恋人の声。
床に崩れ落ちそうなほどほっとする。
運よく変質者に出会わず、無事に辿り着いたらしい。
もう一度チャイムが鳴る。
ばたばたとスリッパを鳴らして走って玄関に向かい、ドアを開ける。
ドアを開けて立っていたのは、肉感的な美女……ではなくて、目線を二つほど下げないと目と目が合わないショートカットの美少女だ。
「おはようございます」
私の恋人、リザ・ホークアイは丁寧に頭を下げた。
「ホークアイ君!!!」
玄関のドアを閉めるなり、私はリザの体を抱き寄せ、潰れそうなほど抱き締めた。
「先生?」
「誘拐されたのかと思ったんだぞ!!!」
「え?ムー大陸?」
「というか何で君は携帯電話を持たないんだ!君は本当に現代っ子か!?今時の女子高生か!?」
「必要ないですから」
リザは高校一年生、私の担当するクラスに在籍する生徒だ。
リザが高校に入学した頃から、彼女のことが何故か気になり、それから私にまったく媚びない女性というのにも興味を持ち、何かと彼女と関わりを持つようにした。
思えば運命だったのだ。
リザと一緒に過ごすうちに知ったのは、真面目で通っている彼女の頑固さと、意地っ張りな面と、それから不器用なところ。
そして、人形のように端整な見た目だけではなく、性格も可愛いということだ。
誰もが認める優等生なのに、靴下の左右の色が違うまま登校してきたことがあり、そんなちょっと抜けているところなんか堪らない。
あと恋愛に疎く天然なところも、甘酸っぱい気持ちにさせられる。
それから、リザは年齢にしては何にも動じることなくいつも冷静で仏頂面だが、実は大変恥ずかしがりやなのである。
口付ける時はいつも初々しい姿を見せてくれる。
あ、先生と生徒という障害を越えて、恋人同士になったのは夏休み中だが、それはまた別の話だ。
女性という異性に興味を持ってからつい最近まで遊び尽くし、来る者拒まず去る者追わずで、私の女性関係はかなり派手であった。
特定の恋人は作らないが、恋人らしき人物はたくさんいるという状態で、「黒髪の貴公子」なんて呼ばれていたのだ。
しかし一時の快楽だけを満たす女遊びはもう終わり。
そんなことする気は毛頭も起こらず、今はこの一人の少女に骨抜きだ。
「もう夏休みが終わってずいぶんたつのに、まだ暑いですね」
「そうだな。…ホークアイ君、今日のワンピース、とっても似合っているよ」
手をしっかり繋いで玄関からリビングに移動する途中、上から下まで彼女の姿を眺める。
白と青のストライプのワンピースを着たリザはとても清潔感があり可愛い。
丸い襟、パフスリーブ、それからふんわりと広がるスカートが女の子らしい。
セーラー服も良いけれど私服のリザも愛くるしく大変良い。
「…先生も…」
「ん?」
「似合ってます…」
私に促されてソファーに座ったリザは、小さな声で独り言のようにそう言った。
「ただのシャツとズボンだぞ?」
「だって、学校だといつもスーツか白衣だから…」
「……いつもと違ってドキドキする、とか?」
リザはすぐ隣に腰を下ろした私から顔を思いきり逸らした。
柔らかな金髪が縁取る頬は少し赤い。
ああ、これだから可愛いんだ。
リザの肩を抱き寄せて、短い髪をわしゃわしゃと撫でる。
私の家なのだから私がお茶をいれると言ったのに、そそくさとキッチンに逃げたリザがいれた紅茶を飲みながら、とりとめのない話で笑い合う。
学校のある日は、放課後に私の部屋と化した化学準備室にリザにこっそりと来てもらい、掃除や簡単な作業を手伝ってもらっている。
だから私は休日にしっかりと休めると言っても過言ではない。
平日は放課後に化学準備室で会い、休みの日はこうしてリザが私のマンションに遊びに来て、私達は毎日会っているに等しいのに、話は尽きない。
「…先生」
リザが私を呼ぶ声は、学校にいる時よりも少し甘い気がする。
「…あのね、先生…」
化粧をしていないのに、すっぴんなのに、どうして肌は白く、目は真ん丸で、睫毛は長く、唇は桃色でぷるぷるなんだろう。
検証でもするように、私がぐいと顔を近付けると、リザは小動物が驚く時のようにびくりと肩を竦めた。
学校では決してしないようなあどけない仕草が可愛くて、そのまま顔を近づけ、ちゅっと音を立てて軽く唇に口付ける。
それだけでリザは顔を一気に真っ赤にした。
私は熱くなった頬を指でつつき、にんまりと笑う。
「これだけで恥ずかしがっていては駄目だよ、ホークアイ君。もっとすごいのをするんだから」
「…すごいの…?」
リザの疑問の声を唇で塞ぐ。
金の髪の毛に指を差し入れてリザを自分の方へ引き寄せ、舌と舌を擦り合わせると彼女は目を見開いた。
私とリザが体の関係を持ったのはほんの数ヶ月前、彼女が口付けを覚えたのもその時期だ。
まだリザは口付けに慣れていない。
舌を絡ませ、軽く噛むだけで、リザの私のシャツを掴む手はびくびくと震える。
「…せん、せ…」
リザが飲み切れなかった唾液が唇の端から溢れ、人差し指で拭ってやる。
崩れ落ちるように私の胸に倒れ込んできたリザを腕に抱き留め、そのままリザをソファーに押し倒す。
リザの顔中に口付けながらワンピースのボタンに手を掛けたところで、ふと気付く。
休日にリザを部屋に呼ぶ度に、毎回セックスしているじゃないか。
放課後、週に何回か化学準備室でひっそりと声を殺してやってるのに、まだ足りないのか。
これでは、ただセックスをしたくてリザを家に毎回呼んでいるみたいだ。
いや、愛おしいから抱きたくなるのは当たり前だし、恋人同士なら普通のことだけれど…毎回っていうのはどうだろう…。
仮にも、リザは教え子で、私は先生で、大人だ。
少しは自制や我慢というものがあっても……。
「…先生…」
「…あ…何?やっぱり嫌?」
リザは表情を隠すように私の胸に顔を押し付け、首を横に振った。
「…ソファーじゃ、やだ…」
恥ずかしさの滲んだ小さな声。
セックスの場所を指定するだけで、これほどまでに欲情させる女性に出会ったことはない。
こんな特別な女性はリザしかいないのだ。
自制?
我慢?
食べたいほど可愛い恋人と愛し合って何が悪いんだ?
「うん、分かった」
前髪に口付けを落とし、次に背中と膝に腕を差し入れて、リザを抱き上げる。
「行こうか、お姫様」
「先生っ!ちょっと…!」
「何?」
「歩けますっ!」
「だって、キスでもう骨抜きかなあって思って」
実際、リザが手足をじたばたさせ抵抗する力はいつもより弱く感じる。
ベッドに小さな体を大事に下ろして、そして、すぐに上に覆いかぶさって再び口付けをする。
化学準備室でセックスをする時の場所が狭いソファーか、机か、床だから、ちゃんとベッドの上で交わる回数が少ないなんて、まだ子供のリザには悪い経験だ。
「…あの、先生…」
「んー?」
「…脱がせるなら、早く脱がせてほしい…です…」
「おお、ホークアイ君にしては大胆な発言だな」
「そうじゃなくて…!なんでゆっくりなんですかっ!」
それは、恥ずかしがるリザの姿が見たいから。
リザの顔をじっくりと見ながら、ワンピースのボタンをわざと焦らすように外して、ゆっくりと白い肌をあらわにしていく。
だんだんと素肌が晒されていく間に、リザが何度も目を逸らしたり、心許なく身をよじるのが大変可愛らしいのだ。
「…あ、可愛い下着だな。新しいやつ?似合うね」
リザを下着のみの姿にしてワンピースを床に放り投げながら、胸を包んでいる桃色の花がレースに描かれている下着を、まじまじと見る。
「…昨日、買ったんです…。…その、セールをしていて…」
そういえば先ほど、リザは昨日、友人と買い物に出掛けたと言っていた。
ちなみに男友達はいなかったか、ナンパをされなかったかをしつこく問い詰めた。
「…サイズを計ってもらったんですけど…。その…あ、赤いのをお店の人に見られて…」
「ああ、キスマークを見られちゃったのか」
「『ああ』じゃないですっ!いつも駄目って言ってるのに…!体育の時も見えないように着替えるの大変なんですっ!」
「いいじゃないか、見られたって。氷の彫刻のような美少女、リザ・ホークアイに謎の恋人ができれば、いい虫よけになる」
リザは外見は可愛らしいし、内面はしっかり者だし男勝りだしで、男子からも女子からもモテるのだ。
リザは私に何も言わないが、彼女に告白した人間、その場所、言葉、人数などはしっかりと把握している。
「お店で恥ずかしい思いをさせたのは反省するよ。でもぴったりな下着が買えて良かったな」
「…ぴったり…?」
「もう前の下着は小さいんだろう?」
最近、リザを抱く度に、ふっくらとした胸が下着の中にきつそう収まっているのが心配だったのだ。
「…もうやだ…!」
リザは目を閉じ、羞恥に震えるため息をはいた。
「…先生に見せるの、これだから嫌だったの…!」
「ごめんごめん」
ワンサイズ大きくなった下着をまた焦らすように時間を掛けて脱がせて、そして唇を寄せ、凝りもせずまた白い肌に痕をつける。

「…はっ…あ…」
リザの内股に埋めていた顔を離して、辛そうな表情で酸素を吸うリザの頭を優しく撫でる。
舌と唇で責められて達したばかりのリザの体は小刻みに震え、肩で呼吸をする度に唾液まみれの豊満な胸が揺れる。
「気持ち良かった?」
目尻に浮かぶ涙を手の甲で拭うリザは、私の問い掛けに何も答えない。
「リザ」
名前を呼んでもリザは目を逸らすだけだ。
「答えないとひどくして、どろどろにしちゃうぞ」
「……先生の意地悪!」
リザは迫力のない疲れきった声で叫ぶと、涙目で私を睨む。
「気持ち良かった?」
もう一度尋ねると、リザは不機嫌そうに唇を尖らせたまま小さく頷いた。
「それはよかった」
「…や…っ!?」
周りがべとべとに濡れた膣に指を差し入れると、リザの体が強張った。
「やだ…!…先生、また…っ」
「もっと慣らさないと辛いよ。痛い?」
「…痛くない…けど…」
熱く、そして充分に潤っている肉は、すんなりと指を飲み込む。
ゆっくり抜き差しを繰り返すと、リザの両手がシーツをきつく握った。
小さな指の爪が白い。
「とろとろで、指がふやけそうだ」
「…せんせ…っ、そういうこと…言わないで…!」
「きついけど、ちゃんと濡れてる。音、聞こえる?」
リザは恥ずかしそうに強く目を閉じて、首を横に振った。
汗ばんだ金髪がシーツに擦りつけられ、乱れる。
脚を閉じようとしているらしいが、その結果、私の手をぎゅうぎゅうと締め付けてている太ももは肉付きがよく、胸も年齢から考えるとかなり大きな方だ。
けれど腰は細くて頼りなく、あばらの上の肉も薄いし、腕や足首だって力を込めればすぐに折れてしまいそうだ。
リザの身長は彼女の周りの友人より少し低く、立ったまま口付けをする時は彼女は思いきり背伸びをし、そして私はかなり体を屈める。
リザは、筋肉馬鹿のアームストロング先生によれば、運動神経がかなりいいらしいが、こんな小さく華奢な体のどこにそんな力が隠れているのだろうか。
考え事をしていると、リザの腰がかすかに前後に揺れ始めていることに気付く。
リザは無意識に違いないが、あの性的なこととは縁遠い純情なリザ・ホークアイの淫らな姿に、思わず喉が鳴る。
「リザ」
「…んっ…何ですか…?」
こっそりと差し入れる指を増やしたが、リザはすんなりと受け入れ、中はもう完全に熟れている。
「指、痛くない?…前はかなり痛がってたな」
「…平気…です…っ」
「…背中、ぞくぞくする?」
「…する…」
「そうか」
「…先生…また…っ」
まだ少女の体が大人を受け入れるため、少し前まではリザは痛みに顔を歪めることが多かったが、今は白い頬を真っ赤に染め、甘い声を出さぬよう唇を噛んでいる。
それから、つい最近まで処女だったリザは「快楽」というものの感じ方をよく分かっていなかった。
体は気持ち良くても、心では「なんか変な感じ」としか受け取れずにいたのだ。
しかし最近のリザはきちんと気持ちいいことを気持ちいいと受け入れ、絶頂を感じると、体だけじゃなく心まで蕩けるほどだ。
「…先生…っ」
シーツを掴んでいたリザの指が、太ももの間に顔を埋めている私の頭に伸びてくる。
リザの片手を受け取り、指を絡めると、彼女の方から強く握り返してきた。
「…また…っ、頭が真っ白になりそう…」
「怖い?」
「…怖い…」
「私がいるから」
「うん…」
リザと手を繋いだまま、指を抜き差しする動きを早める。
「…う…あ…っ、せんせ…っ!」
汗や体液で汚れた太ももがふるふると震え出し、膣がきゅうっと締まる。
指の腹で潤んだ肉を擦りつけながら奥まで貫くと、リザの背がのけ反った。
「――あぁっ!」
ひときわ高い声で鳴き、ベッドから浮いて緊張し強張っていたリザの白い体が、どさりとシーツの上に落ちる。
私の指に強く絡み付いていた手からはすっかり力が抜け、リザは目を閉じて荒い呼吸を繰り返していた。
濡れた指をシーツになすりつけ、サイドテーブルにある引き出しから避妊具を取り出し、慣れた手つきですっかり高ぶっている雄につける。
しばらくリザの柔らかな短い髪を撫でたあと、こめかみに口付けた。
リザが口付けに気付いてそっと目を開けるのと同時に、彼女の上に覆いかぶさる。
「…リザ」
「…先生…?」
「落ち着いた?」
「…うん…」
「…いい?」
熱い塊を内股に押し当てながら、リザに懇願するように問い掛ける。
「…うん」
リザは細い両腕を私の首に強く巻き付けた。
私の固い胸板とリザの柔らかい胸が密着し、彼女の乳房が押し潰されて形を変える。
その甘美な感触に酔いしれながら、リザの中にそっと入っていく。
「…ん、う…っ」
「リザ、大丈夫か…?」
「だい…じょ…ぶ…」
リザが眉間に皺を寄せているのが気になるが、私の耳をくすぐるのは甘い吐息だから、本当に大丈夫なのだろうか。
繊細な造りをした体を壊してしまわぬように、リザの中に入る時はいつも緊張する。
「…リザ、入ったけど…」
「ほんとに…?」
リザの額に浮かぶ汗を手の甲で拭いてやりながら言うと、彼女は一気に体から力を抜いた。
「…先生の熱い…」
はあ、と、ため息をつきながらリザが言う。
リザは相手を興奮させるためではなく、ただ素直に感じたことを言っているから恐ろしい。
「リザの中もすごく熱いよ」
「…そうなんだ…」
相変わらずリザの中は熱くて、誘うようにうねっていて、それからすごく小さくて、簡単に傷付けてしまいそうで怖い。
刺激を最小限に抑えて、ゆっくりと腰を前後に動かしてみる。
「痛くない?」
「先生は…心配性ですね…。さっきからそればっかり」
私の腰に誘惑するように脚を絡めながら、リザがおかしそうににこりと笑う。
どうやら痛くないようだ。
「…君はまだ子供だしさ…そりゃ心配になるよ」
「…子供じゃないもん…」
つい先ほどまで可愛らしく笑っていたのに、私の発言がお気に召さなかったのか、リザは不機嫌そうに唇を尖らせた。
「…先生…動いても大丈夫です…」
「本当に?」
「激しくしても、めちゃくちゃにしても平気です」
「…意味が分かっていないくせにそういうことを言うんじゃない」
リザが平気だと確かめ、また腰をゆっくりと動かし始める。
リザは私に揺さ振られる度に、私の下で絶えず甘い声を唇からもらす。
「…せんせえ…っ」
気持ちいいところに当たったのか、リザが私の首に回した腕に力を込め、体を押し付けてくる。
いつもは声を押し殺すのに必死なのに、今日のリザはやけに素直だと首を傾げる。
「…リザ、気持ち良さそうだな」
「…きもちいい…」
まだ輪郭の丸い幼い顔で、でも妖艶に私の髪の中に指を差し入れながら、うっとりとリザが囁く。
「…先生…もっと…」
控え目に動く私の腰に、細い脚がなまめかしく巻き付く。
汗と涙で濡れた頬は真っ赤に染まり、茶色い瞳は潤んでいた。
リザはつり目が特徴なのに、じっと私を見つめる顔は快楽から目尻が下がっていて、懇願する声は熱っぽい。
もっと、もっといろんな表情がみたい、いろんな声が聞きたい。
「…リザ」
ただその自分の欲だけに捕われ、リザのことを考える余裕はなく、己を彼女の中から引き抜いた。
ん、と小さくリザが喘ぐ。
「…違う形でやってもいい?」
「…先生…?」
リザの上から起き上がると、ベッドヘッドに背中を預けて寄り掛かる。
そして、私に組み敷かれた時のまま横になっているリザに手を差し出す。
リザは私の手を取ると、ゆっくりと体を起こし、私の側に来た。
「違う形?」
「私の上に乗っかってごらん」
「先生の上…?」
リザはきょとんとした表情で首を傾げた。
リザは友人との間で性に関する話をしないのか、今時の高校生にしてはこの行為に疎く、何度も抱いているのに未だ処女に見える時がある。
そんな性に幼いリザに未知の世界を教え込み、私の証を体の奥深くに刻んでいくのが、背中がぞくぞくするほど楽しいのだ。
「まずは私の膝の上においで」
胡座をかき、リザが尻を乗せる場所を作る。
リザは、先ほどまで彼女の中に入っていた雄を見て、恥ずかしそうにぱっと目を逸らした。
「まずは私を跨いで…それから入れよう」
「…分かりました」
リザの頬は先ほどより赤い。
リザは膝立ちで恐る恐る私に近付き、私の肩に両手を乗せると、脚を広げて私を跨いだ。
「私が入れるから…ゆっくり腰を落として、座ってみて」
「…はい…」
リザの腰を掴み、先端を膣に宛がうと、くちゅりと水音が立つ。
その音に気付かないほどリザは緊張しているようだった。
リザに自ら入れさせてみたいが、それはまた今度にしよう。
「腰、ゆっくり落として…」
「…ん…っ」
ゆっくりとリザが腰を落とし、私をずぶずぶと飲み込んでいく。
「…あ…!」
半分ほど進んだところで、リザが急に苦しそうな声を上げた。
「リザ?」
「…お腹…なんか変…っ」
苦痛に細まるリザの目からはぼろぼろと涙が溢れた。
「大丈夫か!?」
「刺さってるみたいで…苦しい…っ」
私の肩に添えられていたリザの指が皮膚に食い込む。
「リザ、落ち着いて。いいか、ゆっくり抜いて…」
「いや!」
突然、寝室にリザの叫びが響く。
「リザ?」
「先生がしたいって言ったんだもん…!私、ちゃんと最後までやりたい…!」
「何を言うんだ…。リザ、苦しいなら無理するな」
「無理じゃない…!」
リザは力なく首を横に振る。
口調は気丈だが、歯を食いしばる表情は辛そうだ。
こんなにも細い腰を押し広げるようにして貫くのだから、苦しくて当然だ。
しかしリザはやめようとしない。
「ちゃんとできる…!」
肩に爪を食い込ませたまま、リザは何の予告もなしに一気に腰を落とした。
「…あ…っ、はあ…っ!」
「リザっ!」
リザは強引に私のすべてを飲み込むと、彼女の尻が私の足の上に落ちてくる。
リザはあまりの刺激に全身を硬直させ、ひくひくと小刻みに震えた。
「…せんせ…!」
リザは呼吸を乱し、涙と汗を垂らして、私に助けを求めるように強く抱き着いてきた。
「馬鹿者!傷でも作ったらどうするんだ!」
「…だって…!」
とりあえずリザが落ち着くように汗ばんだ背中をさする。
リザは痛みに耐えるように唇を噛んでいたが、しばらくすると体から力が抜け、足に乗る体重が増し、そして私の胸にだらりと寄り掛かってきた。
「…リザ、すまなかった。この体勢は止めよう」
「…いや…せっかく入ったのに…」
「じゃあせめて、とりあえず今は一番楽な姿勢を…」
「これが一番痛くない…気がする…」
「…痛かったんだな?」
「…あ…」
口をすべらせてしまったリザは慌てて下を向いた。
「…どうして君は無理をするんだ」
自分が提案したこととはいえ、リザの暴走に怒りと呆れを含んだため息をつく。
「…無理じゃなくて、先生のが大きくて…突き刺さるみたいで…びっくりしただけです」
「…それって褒められているのかな」
「…先生の形が、すごくよく分かるの…」
力を抜いて私の胸に寄り掛かったまま、リザが甘い声で言う。
リザは私の腰に腕を回した。
「…繋がってるのもよく見えるな」
「…本当だ…」
リザはちらりと視線を下に向けた。
金の茂みの中に、赤黒い肉が埋まっている。
「…先生の、私の中に…」
リザがそう呟くと、膣がきゅうっと締まった。
突然のことに思わず声が出そうになる。
私達が繋がっている光景がリザにはとても刺激的だったらしい。
「先生…。私、何をすればいいの?」
「…いや、今日はここまでだ。やめよう」
「だから、それはいや。ちゃんと最後までやるの」
リザは私を見上げて不満そうに睨む。
リザは一度言い出すと絶対に聞かない。
特に、私が「したい」と言い出したことは、今のように無理をしてでも実行したがる。
リザは性に疎いことにコンプレックスを感じていると私は見ている。
――焦らなくていいのに
自分の欲ばかりを考えて軽率なことをするんじゃなかったと、ひどく後悔する。
「私が動くと、多分、まだ刺激が強いだろうから…。痛くないように、ゆっくり、少しだけ前後に動いてごらん。絶対に無理はするな」
私が好き勝手に貫くのではなく、リザに痛くないように動いてもらってイかせてしまえば、彼女は満足するだろう。
「…分かりました…」
リザは私の胸に抱き着いたまま、言われた通りに素直に腰を前後に振った。
「どう?」
「…よく分かんない…。…気持ちいい…のかな…」
「手伝ってあげよう」
初心者が、最近まで処女だった幼いリザが、いきなり上手く動けるはずもないし、快楽も得られるわけがない。
リザの腰を支え、もう片方の手で茂みの中に隠れた敏感な突起を探し、押し潰す。
「ひゃっ!」
突起を撫でると、リザの肩がびくりと跳ねた。
「このまま、前後に動いてごらん」
「…やっ…先生…っ、そこは…!」
「気持ちいいだろう?」
「そこは…駄目…!」
「ほら、動いて」
突起を刺激されて、気持ちよさそうに体を震わせるリザの耳元で囁く。
耳に唇をよせ、耳たぶを甘く噛んだ。
「やだ…っ、耳も駄目…!」
リザはどうしてこうも簡単に弱点を教えてしまうのだろうか。
やっぱりリザはまだ子供だ。
「耳を舐められるの好きだろう?」
「ち、違う…っ」
リザは耳を舌先で舐められ、突起を指で弄ばれ、腰を動かすのを忘れて、あまりに気持ちいいのか私に抱き着いて喘ぐだけだ。
私のモノが体になじんだのか、もう苦しくはないようだ。
「ほら、リザ、動いてごらん」
「…は、い…っ」
リザがぎこちなく、再び腰を前後に動かし始める。
痛くない程度で動いているらしいが、その動きはめちゃくちゃで、初めてということを考えても、ものすごく下手くそだ。
しかし、体を前後に揺らすだけのリザの動きは色気のかけらもないはずなのに、何故か官能的に腰を振るように見えてしまう。
「…せん、せ…っ」
「うん?」
「…何が気持ちいいか分かんない…!」
そうだろうなと思う。
耳を責められ、突起を弄られ、たまに私のモノが膣のいいところを擦りあげるのが良いらしく、リザの体はひどく熱い。
緩やかだったリザの腰の動きが激しくなった。
女の部分をひたすら私に押し付けてくる。
「…先生っ…、せんせ…!」
「うん、分かったよ」
リザの切羽詰まった声で、彼女の絶頂が近いのが分かる。
膣もきゅうきゅうと私を美味しそうに締め付けている。
「…んうぅー…っ」
快楽から逃げるように思いきり反らされたリザの白い首に、甘く噛み付いた。
そして、すっかり形を持った突起を指で摘み、強く擦り上げる。
「ふあ…っ、あ…、――んんっ!」
腰に回された腕が痛いくらい私を抱き締めた。
リザの丸い胸が押し潰されて平たくなっている。
膣もぎちぎちと私を締め付け、自身がとろりとした熱い液体に包まれる。
「…せんせ…」
急にリザの腕からだらりと力が抜け、ふらりと横に倒れてしまいそうで、慌てて彼女の体を支える。
リザは人形のように私にされるがまま、私の腕に抱かれている。
「…私、ちゃんとできた…?」
「…うん、初めてなのにすごいよ」
「…良かった…」
嘘をついてしまった。
リザは私のモノで達したわけではなく、まあ多少は気持ち良かったのだろうが、彼女を高みへと導いたのは私の指だ。
しかしこんなことを言えば、負けず嫌いなリザは次は何を言い出すか分からない。
上手くはなかったが、私のために頑張ろうとしてくれた姿だけで、リザが感じている姿だけで、危うく達しそうなほどひどく興奮したから、「すごい」というのは本当か?
そんなことを考えながら、リザの体を抱き締め、繋がったまま、彼女の体をそっとシーツに押し倒す。
「…先生…?」
「ん?」
「…あの…どうしたんですか?…もう…」
「ああー…、その、私はまだイってないから」
「…あ…ごめんなさい…」
「…謝ることないよ」
小さな声で恥じるように謝るリザに罪悪感を覚えながら、しかし欲望は止まらず、彼女の片脚を肩に担ぎ、腰を動かし始めた。

私が射精すると、ほぼ同時にリザも体を痙攣させるように震わせて達し、彼女は眠るようにして意識を失った。
リザに、無理をさせすぎた。
リザにとって辛い体勢で交わったのに、私はそれに構わずイったばかりの少女の体を強引に貪ってしまった。
リザは子供で、女の子で、教え子なのに、大人の私には余裕というものがない。
もういい歳なのに、思春期のガキのように自分のことしか考えずにがっついてどうする。
しかも相手は愛おしいリザだぞ。
大事にしたいのに、いつも壊す寸前まで愛したいという欲望が先立って、どうしてもできない。
リザを抱いたあと、最高に気持ちいい快楽に震えたあと襲うのは、最低の罪悪感だ。
「…んー…」
私の腕の中で眠っていたリザが小さな声をあげる。
せめてしてあげられることをと思い、頭や腰などを撫でていたのだが、もしかして起こしてしまったのだろうか。
リザはそっと瞼を開けると、涙を流して少し赤くなった目元を擦りながら私を見た。
「…せんせ…?」
私を呼ぶリザの声は少し掠れている。
「…おはよう」
「…私、寝てたの…?」
「…うん」
寝てたっていうか、気絶したという方が近いんだが、真実を告げる勇気はない。
「…どのくらい?」
「…んー、ちょっとだよ。ごめん、起こしたかな?」
「ううん…うとうとしてたら、先生の手が頭を撫でてるの分かって…気持ち良かった…」
リザは微笑みながら、子供が親に甘えるように私の胸に抱き着いて、頬を擦りつけた。
「先生…すき…」
リザは私の頭を両手で引き寄せると、顔に甘い吐息を振り掛けたあと、頬にそっと唇を押し当てた。
何を言われ、何が起こっているのか把握しきれないうちに、リザは私の頭から手を離す。
「…く、唇にしようと思ったのに…やっぱり恥ずかしいです…」
消え入りそうな声でそう言うと、リザはタオルケットに引き上げて、顔を半分埋めてしまった。
リザの半分見えている顔が赤い。
私の顔もつられる様に熱くなる。
何だ、この展開は。
私のわがままでリザに無理をさせたから私は謝らなければいけないのに、何故彼女は私に失望もせず怒りもせず、「好き」だと言うんだ?
「…あのね、先生…聞きたいことがあるの」
「ああ…うん…。何?」
鼻から上をタオルケットから出したまま、リザが小さな声で尋ねる。
そういえばリザはリビングにいた時、私に何か聞こうとしていた。
私はそれを無視して、リザに口付け、そして抱いてしまったんだった。
また新たな後悔が襲う。
「…先生は…私で、満足してる?」
「…ん…?」
リザらしくない、突拍子もない質問を理解できず、思わず固まってしまう。
「それは…当然、満足してるけど…」
本当だ。
ほっぺにちゅーをされただけで、また下半身が元気になりそうなほどリザは魅力的で、一挙一動がいちいち愛おしい女性に出会ったことはない。
「…嘘」
しかしリザは不満げに目を細めて私を見た。
「嘘じゃないよ。大体、どうしてそんなことを…」
「…私…キスが下手くそだし…。…さっきのも、本当は、上手じゃなかったんでしょ?」
やばい、ばれていたのか。
「…ま、まあ確かに上手ではなかったけど…一生懸命で可愛くて、それだけで気持ち良かったよ」
「…やっぱり全然駄目…」
「駄目なんかじゃない。初めてだったんだから仕方ないよ。それに私が無理をさせたから上手くいかないのは当然だし…」
「無理じゃない!」
リザはタオルケットを顔から勢いよく剥いで、らしくなく声を荒らげた。
しかし大声を出したのが体に響いたのか、リザは顔を歪めて下腹部を押さえた。
ああ、やっぱり無理をさせてしまったんだと改めて実感して胸が痛む。
「先生は…どうして子供扱いするの?」
「…リザは子供じゃないか」
「子供じゃないもん!」
「そうやって、ほっぺたを膨らませるところが子供なんだよ」
頬をつついて話を逸らそうとするが、それはリザの怒りを買っただけだった。
リザの潤んだ瞳に悔しさが滲む。
「…先生は…いろんな女の人と付き合ってきたんでしょ?…子供扱いしないで、私にもそういう風にして…」
今にも泣き出しそうな声でリザが言う。
リザが何を言いたいのか、今、良く分かった。
――リザの不器用な愛情はしっかりと感じていたけど、まさか彼女に、これほどまで想われているとは
リザが愛おしいと思うと同時に、彼女はやはりまだ幼いと実感する。
男の身勝手な欲望を次々と叶えることだけが愛情ではない。
若いリザはまだそれをよく分かってくれないだろう。
リザの悩みに気付かず、タイミングの悪い身勝手なお願いをしてしまったと反省する。
「…私は、リザでうんと満足しているよ。満足なんて安い言葉じゃ足りないくらい満たされている。女性を抱いてこんなに幸せになれるのはリザだけだ。これだけは分かってほしい」
「…じゃあ、もっといろんなこと教えて…」
「今度ね」
「…すぐがいい…」
私に縋り付くリザの腕をやんわりと振りほどき、逃げるようにベッドから抜け出す。
学校にいるリザからは想像もできないが、喧嘩して頭が熱くなったリザは幼子そっくりで、なかなか言うことを聞いてくれない。
リザは体を休め、そして少し落ち着いた方がいいだろう。
その間に私はシャワーを浴びて、水とともに雑念を流して、あとは思いきり反省しよう。
リザが私の言葉を理解できないのならば、この言い争いは不毛なものにしかならない。
私は、私のすることなら無条件に何でも受け入れようとするリザに、子供の彼女に、男としても大人としても、甘えるわけにはいかない。
しかし、隙あらば、リザのすべてが欲しいという欲望が彼女の幼い優しさに付け込もうとしそうだから困る。
「先生、待って」
無言で風呂場に行こうとすると、リザに呼び止められた。
ばさりと床にタオルケットが落ちる音がする。
うしろを振り向くと、裸のリザが胸に両膝を寄せ、シーツの上で丸くなっていた。
リザが身をよじると赤い痕の残るマシュマロのように丸い胸は揺れ、細い脚が男を誘うように絡み合う。
「…我慢しないで…リザに好きなことして…」
扇情的な姿に甘い言葉。
煩悩が暴走する前に、私はタオルケットを拾い上げると、リザの上に頭から乱暴に被せた。
「先生!」
「そんなのどこで覚えてきたんだ!」
「覚えてきた?」
計算した仕草ではなく、天然だったのか。
つくづく末恐ろしい娘だ。
リザは腹の痛みを堪えてベッドから降りてぱたぱたと走ると、寝室の入口にいる私に抱き着いた。
「こら、部屋の中を裸で走るな!」
「先生も裸だよ」
「私はシャワーを浴びてくるから…。リザはまだ寝てなさい。疲れてるんだから」
「リザも一緒に浴びる」
ああ、この子はどうして私を大人にさせてくれないのだろう。
私はこの世で一番愛しているリザに、優しくしたいのに、大事にしたいのに。
「…風呂場で何をするか分からないぞ」
「いいもん」
リザは相変わらず細い腕を回して私に抱き着いて離れず、思わず華奢な体を抱き締め返してしまいそうになる。
結局、シャワーはリザと一緒に浴びた。
そして、何とか理性を保って私はリザに何もしなかった。
けれど、これから、見境をなくした時にリザの言葉に甘えてしまいそうで怖い。
ロイ・マスタング。
高校教師。
あと数年で三十路――だが、思春期のガキのようにお盛んで、紳士や物腰の柔らかさはどこへ消えたのか、可愛い恋人に優しくできない獣以下の最低な男だ。








back





inserted by FC2 system